金属膨張式センスビー〔概要〕 |
サーモスタット《センスビー》は金属円筒の熱膨脹を利用して内部の接点機構を有する接点可動板を伸縮作動させ、この間に生ずる張力或は圧縮力を応用して接点を開閉し、電流のON,OFFを行うサーモスタットです。 |
■動作と接点開閉方式 |
張力型 | |
オ-プン | クローズ |
![]() 設定温度以下の状態 |
![]() 設定温度以下の状態 |
![]() 設定温度以上の状態 |
![]() 設定温度以上の状態 |
温度上昇によって外筒が伸びてA部とB部が接触し、設定温度以上に上昇すると、さらに引張られ接点が開く。 設定温度以下では外筒が収縮してA部とB部が離れ、接点を閉じる。 |
温度上昇によって外筒が伸びてA部とB部が接触し、設定温度以上に上昇すると、さらに引張られ接点が閉じる。 設定温度以下になると外筒が収縮してA部とB部が離れ、接点を開く。 |
希望する設定温度が常温以上(大気中温度)の温度制御にもっとも適した型式のサーモです。 ●温度上昇は設定値より+40℃まで ●温度下降は無制限で支障なく動作できます。 |
圧力型 | |
オ-プン | クローズ |
![]() 設定温度以下の状態 |
![]() 設定温度以下の状態 |
![]() 設定温度以上の状態 |
![]() 設定温度以上の状態 |
温度下降によって外筒が収縮してA部とB部が接触し、設定温度以下に下降すると、さらに圧縮され接点を閉じる。 設定温度以上では外筒が伸びるのでA部とB部が離れ、接点は接点可動板の弾性で開かれる。 |
温度下降によって外筒が収縮してA部とB部が接触し、設定温度以下に下降すると、さらに圧縮され接点が開かれる。 設定温度以上では外筒が伸びるのでA部とB部が離れ、接点は接点可動板の弾性で閉じられる。 |
使用温度がとくに低温度(0℃以下)の場合の温度制御に最適のサーモです。 ●温度上昇は無制限で ●温度下降は設定値より−40℃まで支障なく動作できます。 |
※標準型センスビーは、ご注文戴く時に特別に指定のない限り、張力型で納入させて戴きます。圧力型をご希望の折にはその都度指定下さい。 |
■特徴 | ||||||||||||||
|
■標準型センスビーの一般的仕様 |
耐電圧 | AC 1500V 1分問 |
絶縁抵抗 | 50MΩ以上 500Vメガー |
動作感度 | 1.0 deg以内 開閉試験(40mA、リレー開閉) |
設定誤差 | 0 ℃〜100 ℃ ±2.5 ℃以内 +100℃以上 設定値の±2.5 %以内 |
耐振動 | 3G 全方向 |
防湿・防滴構造 (防湿・防滴製品の場合) | 0.4 MPa(内圧) 防湿・防滴型水中試験 |
寿命 | 100,000 回以上 定格負荷開閉試験 |
温度設定条件 | 上昇又は下降 約4 ℃ /分 |
![]() |
高温用サーモスタット《センスビー》を恒温槽、電気炉に取付温度制御を行う場合、取付炉壁が厚くセンスビーの受感部全長がその内部に挿入されないで、炉壁内にとどまるような取付を行ないますとセンスビー本来の鋭敏な感度を得られない場合があります。
この様に取付けたセンスビーの動作は炉壁の温度コントロールも同時に行う結果となり、炉壁の熱惰性を含む不安定なコントロール状態になって内部の完全な温度制御が得られません。 例えば図1の様な取付では炉内の温度と炉壁の温度差が大きくあるにもかかわらず、受感部は大部分温度の低い炉壁にあるため、炉内温度はセンスビー設定温度より高くなり、炉壁は時間と共に熱が伝わり温度変化してセンスビーの動作状態も変化して来ます。 このためセンスビーは炉壁の温度をコントロールする結果となって、図2の様な制御曲線となってしまいます。 特にセンスビーが炉壁に接触している場合はその傾向が極端になりますので取付壁が厚い場合には、取付フランジを用い炉内温度を完全に検出する取付を行って下さい。 取付壁が厚い場合には図3の様な取付フランジを用いますと受感部は炉壁に影響されない炉内温度を検出して作動部のエレメントも外気の流入と取付フランジ内部よりの放熱空気の対流で破壊されることなく完全な温度制御を行います。 | ![]() | ||
図1.不良取付例 | ||||
![]() | ||||
図2.不良取付時炉内温度 コントロール曲線 | ||||
![]() | ||||
図3.電気炉壁取付例 |